25年前のウェディングドレス(シルク)

今回は状態の悪い、黄ばみ&すすけた25年前のウェディングドレスのシミ抜きをいたしました。

お客様から少しでも何とかならないかとの依頼を受け「なすクリーニング」の私がオペしました。

まずは、シミ抜き前のウェディングドレスをご覧ください。

before

30yearsold-doress-b

黄ばみもですが長年の「たばこ?&油、その他?」で完全にすすけてしまっています。

After

30yearsold-dress-b

お客様もビックリ!全くの別物です。これが25年前のドレスの姿です。

「普通のクリーニングに洋服を出しても綺麗にならないのに、何故こんな古いウェディングドレスが綺麗になるのか?」とよく言われるのですが、それは簡単です。人のガン治療の場合、いかに周りの正常細胞を傷つけずにがん細胞だけ殺すかを求められます。発想はこれと同じで、シルクは強い素材ではありますが、25年、30年経っていると劣化しておりますので、そのシルクに損傷を与えずに、黄ばみや汚れのみを除去する難易度の高い方法をとるからです。

「なすクリーニング」が他社と何が違うのかと言えば、いわば、他の病院では手に負えない重度の癌のような難しい汚れを落とす仕事をしています。その技術を生かすので普通の汚れなど簡単に落ちるのです

更にビックリの写真をお見せいたします!

上記のドレスを処理する前の綺麗な水。

before

warter-a

After

warter-b

これだけの汚れが水に溶け出しました。

他では真似のできない技術

・簡単に水洗いしている様に見えますが、シルクのこのようなドレスを水に浸けて洗うこと自体が普通はできません。理由は、誰もが水に浸けて少しでも綺麗にしたいのですが、水に浸けたらシルクのドレスを元の状態に戻せないので、怖くて水洗いできません。その結果、ドライクリーニングだけで綺麗になりません。

・水に浸ければ簡単に汚れが出ると思うかもしれませんが、そんな事はありません。あれだけの汚れを水に溶け出させるにはそれなりの技術が必要です。内緒ですが私は5行程行い特殊な薬品数種を使います。

お母様のお召しになられたウェディングドレス等の特殊処理。遠慮なくご相談ください。

CELINE©のワンピースの脇の汗ジミ

他のクリーニング店で1度クリーニング」&「シミ抜きの依頼」をされて取れなかったようです。

プロからすると、「シミ抜きお任せ下さい!」と宣伝していて、なんで、こんな汗ジミが取れないのか理解不能です。

しかも、「これ以上、シミ抜きをすると生地を傷めますので、、」とありますが、「生地など全然傷みません」。

シミ抜き料金を取って落ちないという意味がわかりません。

では、なぜ取れないかと言えば、病院に行っても「消毒」はできても、心筋梗塞の「カテーテル手術」を直ぐにできるお医者さんは本当に少ない。これと同じ理由です。

簡単にシミが取れる事を知り、「できない宣伝をなぜするの!」とお客様も怒っておりました。

before

celineb

汗ジミは汗の蓄積ですので、汗ジミをきちんと取るクリーニングをしていればこのように黄ばみません。

after

celinea

シルク、ウール、綿、麻等のワンピースやドレスの汗ジミも綺麗に取れますのでご安心ください。

ポールスミス©コートやバーバリー©コートのエリ汗ジミ&皮脂汚れ

Burberry(バーバリー)のコートやPaulSmith(ポールスミス)のコートも冬の間ずっと着ると、特にエリ部分に汗ジミや皮脂汚れがつきます。

ウェットクリーニング(水洗い)ですと、こんな汚れやシミも簡単に綺麗になります。また、何となくくすんだコートも見違えるように垢抜けます。

エリの皮脂汚れがなぜ普通にドライクリーニングしただけでは取れないかと言えば、卵焼きや焼き肉のこびりついたフライパンと同じです。冷蔵庫から出したばかりのバターも油の中でなかなか溶けませんよね。

ワンシーズン着ているので汚れがこびりついているため、10分(正確に言えば1時間しても)くらいドライマシーンのドラムでクリーニングしても皮脂は剥がれません。汗などはそのままエリに残ってます。

before

before-p

ポールスミス©のコートに付いた汗ジミ&皮脂汚れ

After

after-p

超音波で簡単に綺麗になります。もしこんなエリが綺麗にならないクリーニングに出している場合は表現は悪いですが「クリーニング料金を捨ててるだけ」と考えてください。本当は綺麗になります。

ダウンジャケットのクリーニングとシミ抜き

春、クリーニングに出す代表的なジャケットの1つがダウンジャケット&ダウンコートだと思います。

これもウェットクリーニング&しみ抜きの組み合わせで画期的な効果を発揮します。

before

アルマーニダウンb

「アルマーニのダウンジャケット」ですが、冬の間ずっと着ていたのと、ドライクリーニングばかりしていたので汚れが数年分蓄積され、さすがに「これでは着られない」と思い「なすクリーニング」を探していただけました。

after

アルマーニダウンa

お客様も正直ビックリ!!シミも綺麗ですが、何より全体の黒ずみ(エリ・腕・ポケット・カフス・ジッパー周り等)が全て取れます!

シミの多さやメーカー等にもよりますが、大体このような処理で¥4.000~5.000くらいです(海外メーカーの場合、メンテナンスやケアーをしなければならないため)。普通の汚れですと¥2.500~です。比べてください、汚れが残りません。

 

ワンピースの脇の汗ジミ(シルク・ウール・綿(コットン))

ワンピースは直接肌に触れるので、汗ジミを気になさるお客様も多いです。特に裏地です。

新規のお客様のワンピースです。もちろん、今まで何回もクリーニング出しております。お客様も裏地なので気づいておりませんでしたが、実際汗ジミを見ると、「えー、何度もクリーニングに出しているのになんでこんな汗ジミが残ってるの!」となります。

理由は簡単。クリーニング店が手間がかかったり難しい処理は何もしないからです。

 

ワンピースb

皆様もワンピースに限らずスーツの脇の裏地等を確認してみてください。気づかずにこのようになっている事が多いです。その理由は、水洗いをせずにドライクリーニングで汗が落ちない事が理由です。

ワンピースa

はっきり言ってしまえば、このような汗ジミが元から完全に取れなければ「ドライクリーニング」などする必要もないという事です。クリーニングしてもしなくても同じです。どんなに、「特殊クリーニング」とうたっても、この汗ジミが取れなければそのクリーニングは無意味です。

汗によって衣類が黄ばむ理由

汗をかいたので「ドライクリーニング」に何回も出していたのにワンピースの脇の下部分が、完全に黄ばんでしまいました。

DSC_5782

原因はドライクリーニングで、汗が落ちない事です。肌が直接触れるワンピースは正直な所、「ドライクリーニング」では出すだけ無駄です。プレスされて戻ってくる意味しかありません。

なぜ、黄ばむのか?

大きな理由は2つです。

・汗に含まれる(正確には汗と一緒になった)皮脂が酸化して黄ばむ

・汗に含まれる塩分等がお洋服の色を劣化させる

白やピンクなどの淡い色の場合の黄ばみは、クリーニングで取れなかった汗と皮脂が酸化した物です。逆に黒や濃色の場合、黒が「青」や「赤」っぽくなる事がありますが、これは汗の塩分等が黒の染色を劣化させたためです。

お洋服の「色(染料・顔料)」の中には金属質も含まれます。汗が金属質を錆びさせると「色」の劣化が生じます。

なぜ、「黒」が「赤」や「青」っぽくなるのかと言えば、プリンターのインクと同じです。黒も本来は「赤」「青」「黄」の3色から作られているので、そのうちの「1つの色」が劣化してしまうからです。特に「青」が劣化しやすいので「赤」っぽくなるケースが多いです。

グッチ©やジルサンダー©(思いついた所ですが)等は染色が弱いので、汗の体質によっては、1回着ただけの汗が致命傷になります。Burberry©等もコントラストのある商品もきちんとしたクリーニングでメンテナンスをしていれば長く新品の状態を保てます。

例えばGUCCI©

before

guttib

ハイクラスやデラックスのクリーニングに出しているのに汗で裏地の脇の下も黄ばんでしまいます。

After

guttia

「なすクリーニング」ならテクノロジーで綺麗に取れますが、時間と労力が非常にかかるので、汗ジミを作らないクリーニングが一番コストパフォーマンスが良いです。

GUTTI©で裏地の取り替えになると、数万円になります。この汗ジミの復元は¥6.000です。

「尿」はドライクリーニングでは取れません

男性であればトイレの時に多少なりと付いてしまう経験があると思います。しかし、何度ドライクリーニングしてもこのように尿ジミは取れません。

【クリーニングに出していたのに尿で黄ばんでしまったパンツ①】

クリックして拡大

クリックして拡大

【クリーニングに出していたのに尿で黄ばんでしまったパンツ②】

尿ジミ2before

尿ジミ2after

クリーニング店では一切言いませんが、「尿」や「汗」は普通にクリーニングに出しても全く取れません。驚くべき事ですが、これが事実です。

何度もクリーニングしているのにできたズボン裏側の尿ジミです。男性ですと、トイレの時に付きがちです。「ドライクリーニング」では、「尿ジミ」や「汗」は取れないので時間が経つと酸化し黄ばんできます。体質で黄ばみになるならないはありますが、ドライクリーニングを何度しても「尿ジミ」は絶対に取れず、蓄積されていきます。

つまり、クリーニングに出しても洗わない下着を何度も着ているのと全く同じ状態です。

「ウェットクリーニング」していれば洗った時点で全ての「尿ジミ」や「汗」がリセットされます。

体臭よりも臭いの原因はこちらの比重が高いです。また何より「清潔」ではありません。

写真の様に黄ばみになると、水に浸けただけでは落ちないので特殊処理で黄ばみを落とす事が必要です。そうならないように「ウェットクリーニング」する事が重要です。

時間と手間を掛けてもしっかりと、「水」で洗う事の重要性はここにあります。

臭いの原因「汗」と「尿」

「体臭」を気になさるお客様が非常に多いです。

よく、体臭や加齢臭が取り上げられますが、実際に臭いを出すのはお洋服だと思います。加齢臭は実際には疾患により汗や(特に)尿の成分が変わってくる事により生じる臭いで人そのものが臭うのではありません。

つまり、体を清潔に保ち、汗をかいた洋服が清潔になっていれば殆ど気にならないと思います。

汗や尿は、お洋服につくと、それを微生物が分解して臭いの元を作ります。実際はお洋服が臭いを作る場となっえしまっえいます。清潔でないトイレに入るとくさいのと全く同じ理由です。実際、尿にはアンモニアは含まれておらず、あの臭いは尿が微生物に分解されアンモニア臭を出します。

ただし、この尿や汗は「ドライクリーニング」では、全くと言って良いほど取れません。ブログですのではっきり言ってしまえば、ご家庭の洗濯では(下着なら)汗や尿を取るために洗濯すると思います。それと同じに考えクリーニング店で「ドライクリーニング」に出すならそのクリーニングは全く無意味です。

よく「汗を取るくらいだから、、」と言われるお客様が多いですが、「汗」を取るのはワインやペンキを取るより遙かに難しいです。その理由は、ワインや汗は見える部分を綺麗にすれば良いですが、「汗」は酷くならないと黄色くならないし全体に付着します。本来は水洗いすれば綺麗になりますが、水で洗うとその後の処理が非常に大変なためしません。

クリーニング店もクリーニングに出しても汗が取れない事は分かっていますが、「汗」をはじめ人からでる分泌物には目をつむり、「ドライクリーニング」となります。

「汗」「尿」の臭いを元から取るには、「ウェットクリーニング(水洗い)」以外ありません。

ドライクリーニングとウェットクリーニング

簡単に言えば「ドライクリーニング」は「ガソリン」で洗う事で、「ウェットクリーニング」は「水洗い」です。

ドライクリーニングの「オイル」

ドライクリーニングの「オイル」

よくクリーニング店で「ドライ品」という表示を見ると思います。普通お洋服は「水」でクリーニングされていると思いますが、実は「ガソリン」と殆ど同じような「油」でクリーニングされています。

では、何故「水」でなく「油」で洗うのかと言えば、ご家庭の洗濯機で「水」で洗えないと同じ理由で、クリーニング店も水洗いできないので「油」で洗います。ご家庭で洗濯できないお洋服を技術力で綺麗にクリーニングしているわけではないと言う事です。

なぜ、「水洗い」できないのかといえば、水に浸ける事は誰にでもできますが、その後の「シワの処理」や「質感の再生」等色々な問題があるからです。

「油」で洗うメリット

シワが殆どでない

アイロンプレスに手がかからない

「油」で洗うデメリット

ホコリと付いたばかりの「油ジミ」しか落ちない。

汗、尿、臭いは全く落ちない。

以上から極論をするとドライクリーニングでは、汗をびっしょりかいたTシャツをガソリンにつけても汗は全く落ちないのと同じです(汗は油には溶けず、水にしか溶けませんので、ガソリンが揮発するだけです)。

 事実を言ってしまうと、ドライクリーニングだけではお洋服は「清潔」にはなりませんし、クリーニングする意味は殆どありません。何十年もある「ドライクリーニング」ですが、これが事実です。簡単に誰でもできるから、ローコストの「ドライクリーニング」をしてきたというのが実態です。

では、どのように「クリーニング」するかです。

答えは、「水洗い」できないお洋服にも最新のテクノロジーで水洗いを行い、熟練のエンジニアのアイロン・プレス技術で元に戻す事です。これで、現状の90%のお洋服は見違えます。これが「ウェットクリーニング」です。

ただ、水洗いを行えば非常にシワがよりますし、それを防ぐ処理やアイロンプレス技術はお洋服一つ一つで考えなければなりませんので高い技術が必要とされます。簡単に言えば、「お気に入りのお洋服を水に浸けるのは誰でもできるが、元に戻せるか?絶対に水洗いできない商品を見分けられるか」これだけです。

重要な事がもう一つあり、加齢臭や、体臭が良く言われますが、実は体臭ではなくクリーニングで綺麗になっていないので臭うケースもかなり多いと思います。雨で加湿するとスーツからイヤな臭いがしますが、これはクリーニングの問題です(湿度と温度で臭いがでます)。

次回は「こんな汚れが取れない!!」についてお話しします。

家庭でできるクリーニング講座①

ご家庭での洗濯(クリーニング)

はっきり言ってしまえば、「ドライクリーニング」に出すよりも、お洗濯できる物ならご家庭で手洗いした方が綺麗になります。 その方法をお話しします。

「クリーニングに出すまでの物ではないのだけど、外にも着ていくので丁寧に洗濯したいお洋服」がメインです。

と言いますのは、「コートやスーツ、ダウンジャケット類は年に何回もクリーニングする物ではないので春と秋にまとめてクリーニングに出せばいいのだけど、良く着る簡単なワンピースやお気に入りのシャツなどは、そうはいかないので、手洗いの方法を教えて欲しい」というお客様が多いです。1度、本当に綺麗にクリーニングされたお洋服を着ると「もう、近くのクリーニング店には出したくないから」何とか家庭でできないかとの質問を良く受けるからです。

その方法は簡単です。

まず、何時も洗濯機で使う洗剤は使用しません。 なぜなら、その洗剤は人の皮脂やタンパク質を洗浄するためアルカリ性(アルカリは良い響きに聞こえますが決してそうではない)だからです。 その代わり、おしゃれ着洗い等の中性洗剤(アルカリ性でも酸性)を使います。極論すれば、台所洗剤(手に優しく中性)でもかまいません。 なぜ、普通の洗剤がダメかと言えば、下着でないのでアルカリにするほど汚れていない洋服が殆どで、その手の洗剤には漂白成分が入っているので「せっかくのお気に入りの黒Tシャツの色が直ぐにグレーになる」&「ウール」は洗えないからです。人の手に付くと、ヌルッとするのは皮膚の角質が剥がれているからです。

黒等の色の濃い洋服を洗う場合は、水温は夏の水道水くらい。これをバケツや洗面器で軽く手洗いすれば完璧です。  白や黄色の場合には温度はお風呂より低いくらいでも大丈夫です。その温度が良く落ちます(失敗しない温度)。

すすぎも機械でないので十分にできるので肌にもgoodです。 柔軟剤はお客様のお好みで。 また、そんなお洋服はアイロンがいらない物が殆どだと思います。クリーニングに出して無駄にアイロンを掛けられ光ってしまったりという事もありません。

微妙なお洋服は「なすクリーニング」へどうぞ(笑)

洗剤の知識もご覧ください。